ドイツ在住の日本人フリーランサーに聞いた税金のアレコレ
税金の支払いは「住んでいる国で行う」が基本
一生会社員なら、詳しく知らなくても大きく困らないのが税金のことです。誰もが所得に応じて税金を支払ってはいても、会社員であれば給料を受け取る際には税金が差し引かれた状態なので、税金を支払っている実感は薄いかもしれません。フリーランスになると、お金の管理を自分で全部行うようになるので、独立する前に税金についてしっかり理解しておくことをおすすめします。近年フリーランスの活動範囲が広がってきていることで、拠点を海外に置く人も増えているようです。そこで疑問なのが、「税金をどこの国に支払えばいいのか」ということです。
「どこの国に住民票があるか」で納税国が決まる
海外で働いて得た収入に対しての税金をどこに支払うかは、正式に「どの国の住民なのか」によって決まります。日本国内に1年以上住民票がある状態ならば日本、そうでなければ居住している国に税金を支払う必要があります。ドイツに住むとあるフリーランスは、日本に住民票を置かず、ドイツの住民として暮らしながらフリーランスの仕事をこなしています。クライアントも日本なら支払いも日本円なのですが、ドイツに居住しているので納税はドイツです。国が違えば税金のシステムも異なるので、確定申告の方法も時期も日本のそれとは異なります。
ドイツ在住日本人フリーランスの確定申告
年収が1万7500ユーロまでは税金がかからないと勘違いされる方がいますが、これは「売上税」のことで「所得税」とは異なる税金の種類です。小規模事業者(Kleinunternehmer) で登録している場合、その事業当たりの年間の売上(利益ではなく)が1万7500ユーロまでは19%の「売上税」は免除可能ですが、年収(利益)が8820ユーロを超えれば所得税はかかります。
<上記文章はドイツニュースダイジェストの「ドイツでお金と上手に付き合う方法」ページから引用しています>
ドイツニュースダイジェストは、ドイツでの暮らしに役立つ情報を発信しているサイトです。 「ドイツでお金と上手に付き合う方法」を見るドイツのフリーランスが支払うべき税金は、「所得税」と「売り上げ税」です。日本と同様、売り上げ金額から経費を差し引いた所得に対して税金がかかることになります。累進課税制なので、所得が多ければ多いほど税額も多くなります。売り上げ税は、年間売り上げが17,500ユーロを上回った場合に支払う税金で、サービス内容に応じて7%もしくは9%の税金がかかります。なお、売り上げ税については、ドイツ以外の国のクライアントから得た報酬は課税の対象外となります。
ドイツの確定申告はいつどうやって行うのか
日本の確定申告は2月から3月にかけて行われますが、ドイツの確定申告は毎年5月末が期限です。期限を過ぎてから確定申告を行うと、遅延金の支払いを求められてしまうので注意が必要です。ただし、期限に間に合わないことをあらかじめ税務署に申告すれば、期限を延長できる場合があります。確定申告の方法は、日本と同じく書類による方法とオンラインによる方法の2種類があります。確定申告は母国語でも難しい面が数多くあります。ドイツの確定申告についてよくわからないようであれば、無理をして自分で解決しようとせずドイツの税理士に依頼するなり、現地の確定申告について詳しい日本人に助けを求めることも大切です。